ZERO-ROBOTICS

Creative Edge School Books Digital Publishing Team

ZERO-ROBOTICS STORY

ゼロロボティクス

2040年、日本の平均寿命は女性が100歳となり、OECD加盟国で28年連続世界トップ。男性も90歳を超え、定年退職後のセカンドライフ「30年」時代に突入。世界の認知症患者数は1億人を突破し、その莫大な社会的費用(医療費、介護費、インフォーマルケアコスト)は数十兆円に上り、長寿国共通の大きな問題になっていた。

フリーのデザイナーとして働いていた鈴木一郎は、母の認知症がきっかけでロボットベンチャーを立ち上げ、認知症ケア対応ヒューマノイドロボット「ZERO」の開発に取り組むが、自身もMCI(軽度認知機能障害)と診断され、人間の尊厳に関わる越えられない壁があることを知る。

世界では、致死性自律型ロボット(LARs:Lethal Autonomous Robotics)に関する国際人道法上の議論が活発化する中、ダーパ(DARPA:米国防総省・国防高等研究計画局)が開発した軍用高速四足走行ロボットが実証実験中に暴走、市街地に逃亡するという事故が発生していた。