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虎穴に入らずんば虎子を得ず、力尽きるまで

体系的に学べる学習の場を実現するためのビジネスモデル

最新のウェブ技術やデザインについて学べる「オープンエデュケーションの場」をつくるために、昨年から試行錯誤を続けながら、「学習コンテンツを企画・制作・販売し、半年で販売終了、2ヵ月以内に無料公開」というビジネスモデルを実践し始めました。

 

技術進化の速い分野は、情報の鮮度で価値が決まりますので、学習コンテンツに賞味期限を設定する方法は十分成り立ちます。書籍では(すぐに古くなる)リスクが高い領域でも、スクリーンキャストであればスピーディにリリースしていくことが可能です。

一方、賞味期限を過ぎた学習コンテンツも、一から体系的に学びたい初心者の方々にとっては有益な情報としてしばらく残ります。

 

半年で無料化しても、すぐに最新のコンテンツを作成しなければいけないため、ストアの品揃えに大きな影響はありません。また、無料公開によって、多くのフィードバックが得られ、新しい学習コンテンツ企画の質向上に役立てられることも大きな利点になっています(現段階ではここが最もうまく機能しています)。

一人で続けることの限界、背水の陣

今まで数十年やってきた仕事を全て止めて、プロジェクトに集中したことで、ほぼ計画どおりに進められたのですが、さすがに無茶な行動だったようです。本格始動を予定していた9月前あたりから、活動資金を調達しなかったことが影響し、コンテンツづくりに支障が出始めました。

 

自己資金とコンテンツ販売だけで賄えると思っていたのですが、あと一踏ん張りのところで力尽きてしまい、あっという間に継続が難しくなりました。仕事を止めずに、掛け持ちでやっていれば、自力で乗り越えられたと思いますが、二足の草鞋では最新のコンテンツを次々とリリースするのは無理だったと思っています。

 

その後、支援していただける方が現れ、販売終了したコンテンツの無料化の作業、学習コンテンツと連動する電子出版などの作業などが再開でき、活動停止は回避することができました。応援していただいた方々には、ほんとに感謝しています。

販売したコンテンツも、あと数週間で全てが販売終了となり、年内には20時間程度の学習コンテンツを公開することができますので、「体系的に学べる場」の基盤づくりについては達成することができそうです。

 

問題は、これからです。学習コンテンツの企画・制作については、引き続き活動資金を調達する必要があり、未だ長いトンネルを抜けだせない状態にあります。いつ息切れしても、おかしくない状況で綱渡りをしているようです。

 

コンテンツの企画は枯渇することはなく、制作・販売も更なる効率化を進めていますが、ビジネス面ではやはり素人、特に資金調達などは(大きな金額ではないのですが)まったくのあてのない世界です。

カーンアカデミーを立ち上げ、自分の貯金を切り崩しながら活動していたサルマン・カーンを励みに、なんとか続けられていますが、近々限界がくるのは間違いないと思います。

個人の学習サイトをもっと増やしたい

1994年、インターネットが商用化され、誰でもウェブにアクセスしてサービスを利用できるようになりました。この頃、企業はまだ様子見でしたが、いち早くウェブに興味を持った個人が自分のサイトを立ち上げ、情報発信を始めます。

 

特に注目したのは、学習系の個人サイトです。HTML入門やアイコンの作り方、サイトの公開方法など、ウェブサイト関連だけ見ても、さまざまな学習サイトが公開され、中には、質量ともに市販の解説書を超えるレベルのサイトもあり、今では当たり前の(次々と参照リンクをたどっていく)探索学習をスポーツのように楽しみました。

 

1995年から、私もデザイン関連の勉強サイトなどを公開し始めましたが、目新しさもあって、多くの方々から感想や意見をいただきました。「解釈がおかしい」「用語の使い方が間違っている」といった指摘から、「こういう図をつけると理解しやすくなります」と図版を送ってくれる方もいて、利用者と対話しながらコンテンツの完成度を高めていく「学習者との協調作業」に興奮した記憶があります。

 

個人のサイトというのは、仕事が忙しくなれば更新できませんので、再開のきっかけをつかめないまま放置状態に陥りやすいのですが、商用サイトのリンダ・ドットコムなどは、創設から19年、現在は400万人が学ぶ学習プラットホームになっています。

 

私が目指していたのは、学校の先生や学習本の著者などが、容易に立ち上げられる学習サイトで、先生なら学生のための予習・復習などに、著者は本と連動したサービスとして利用するなど、小規模かつパーソナルなものでした。

 

例えば、Aさんの学習サイトでは、初歩的な講義をBさんの学習サイトにあるコンテンツを利用し、逆にBさんは上級者向けの講座をAさんの学習サイトから参照するなど、相互利用しながら、体系化されたコースを組み立てられる環境などが一つのイメージです。

 

今なら、スクリーンキャスト用のツールも充実していて、YouTubeに自分のチャンネルを作成すれば、すぐに始められます。さらに、電子出版も敷居が下がってきましたので、デジタルなら教科書づくりも可能です。

虎穴に入らずんば虎子を得ず、力尽きるまで

今やっていることが花開くまで、継続することができるかどうか瀬戸際にきていますが、成功も失敗も、やってきたこと全てのプロセスが(これからチャレンジする人にとっては)「教材」になりますので、アーカイブだけは残すようにしています。

 

Go for broke!

 

近況報告は引き続き、Podcastで配信していきたいと思います。

 

2014年10月

境祐司

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