THINK ZERO MAGAZINE

Creative Edge School Books


現在、「Adobe Muse CC 2015 ビジネスガイドブック2」を準備しています。昨年リリースしたビジネスガイドブックの2015バージョン対応版です。当初、現在のバージョンを対象に進めていましたが、新しいMuseがリリースされる可能性があり、コンテンツの構成を変更しています(ページのつくり方が変わってしまうため)。最新情報は、Museアカデミーでもお知らせします。


Museで作成されたシングルページウェブサイト(1)
Tersus

Museで作成されたシングルページウェブサイト(2)
mr.h - Design Agency

Adobe Muse CC 2015 ビジネスガイドブック2 導入編

2014年10月7日に「Adobe Muse CC 2014 ビジネスガイドブック」をリリースしてから一年経った。Museの開発チームはユーザーのニーズを汲み取りながらアップデートを繰り返してきたが、遂に「レスポンシブデザインに対応してほしい」という世界中のユーザーの要望に応えた。ビジネスガイドブック2では、今後のMuseを見据えた新しいクリエイティブワークについて取り上げていく。


グラフィックデザイナーのためのウェブツール

Museは、HTMLやCSSなどのコードを書かずにウェブページを作成することができるウェブデザインツールである。Adobeには、Dreamweaverというウェブデザイナー向けのプロフェッショナルツールがあるが、Museとは競合しない。同じウェブ制作ツールだが、Museは主にグラフィックデザイナーを対象とした「デザイン」カテゴリの製品で、シングルページ(ランディングページ等)やビジュアルデザインを重視した軽量サイトなどに適している。


シングルロングページで多用されている視差効果(パララックス)の機能が搭載されているツールは、Museくらいだろう。Museで作られたシングルページウェブサイトの多くは、紙媒体のデザイナーが作成しているため、視覚表現に長けたものが多い。

ホームページ作成サービス「Jimdo(ジンドゥー)

ホームページ作成サービス「Wix(ウィックス)


ホームページ・ビルダーやBiND、Jimdo、Wixとの違い

コード不要で直感的に使える類似製品には、「ホームページ・ビルダー」や「BiND for WebLiFE」、クラウドサービスの「Jimdo(ジンドゥー)」や「Wix(ウィックス)」などがあるが、Museは、これらのツールとも競合することはない。一般ユーザー向けのツールやサービスは、基本的にひな形から作成していく仕様になっており、最初に好みのテンプレートを選び、カスタマイズしていく。料理番組のように、さまざまな素材が用意されているので、すぐに作業が始められる。アカウントを取得するだけで利用できるJimdoやWixなどは、「誰でも簡単に」を実現している。


一方、Museの場合、テンプレートは用意されておらず、まっさらなページから作成していくことになる。必要な素材は自分で作成したり、調達しておく必要がある。IllustratorやInDesignに近いUI(ユーザーインターフェイス)を搭載しているため、デザイナーであれば、使い慣れているデザインツールのスキルをそのまま活かすことができるが、Adobe製品に触れたことのない人にとっては取っ付きにくいかもしれない。

ホームページ制作ソフト「ホームページ・ビルダー20

ホームページ制作ソフト「BiND for WebLiFE 8


ただ、Museの使い方はとてもシンプルだ。ページの構成要素(テキスト、画像、動画など)をファイルメニューの[配置]から読み込み、マウスを使って、サイズを調整したり、配置していくだけである。ほとんどの作業がマウスドラッグだけで実行できるので、他のツールと比較して「機能が少ない」。ホームページ・ビルダーなどは、Museより数倍「高機能」だ。


Museは、ひな形がないので、グラフィックソフトを使うように「一からデザイン」しなければいけないが、だからこそ表現の自由度が高く、独創的なランディングページやプロモーションページなどを何の制約もなく作成することができる。Museを使えば、「独自性」や「希少性」で勝負できるページづくりが可能になる。

Adobe Museのブランドページをスマートフォンで閲覧。メニューをページの最下部に設置したシングルページになっている


Photoshopでカンプを作成しているデザイナーにとっても試す価値のあるツールになった

10月4日、ロスアンゼルスで「Adobe MAX」というイベントが開催され、新しいMuseが公開された。ウェブ製品のプレゼンテーションで、(Dreamweaverのデモをやらず)デザイン製品のMuseが紹介されたのは、ちょっとした事件であった。披露されたデモンストレーションは2つ。「モバイルアプリとの連携」と「レスポンシブデザインのページデザイン機能」である。


新しいMuseで作成されたブランドページはレスポンシブデザインで作成されている


現在公開されているAdobe Museのブランドサイトは、レスポンシブデザイン仕様になっているが、新しいMuseで作成されている。「Museの使い方はとてもシンプル」だと書いたが、新しいMuseでも変わらない。マウスドラッグだけで複雑なレスポンシブデザインのページを作成できる初めてのウェブツールだと言ってよい。デザイナーにとっては、デスクトップとスマートフォンのページを作り分ける必要がなくなり、クライアントに対して(マルチデバイス適応の重要性を説く)説得力のある提案が可能になるだろう。


また、Photoshopでウェブページのカンプを作成しているデザイナーにとっては、新たなプロトタイピングツールとして活用できる。マルチデバイスに適応した動的なページのプロトタイプをビジュアルデザイナーが担うことになり、既存のワークフローを飛躍的に効率化することが可能だ。

インターフェイスのユーザビリティを検証しながら、同時に改善作業を進めることができる


作りながら考え、考えるために作る。プロトタイピングツールとしてMuseを利用

Museは、必要最小限のページから作り始め、クライアントや関係者の意見を参考にしながら、試行錯誤することができる。仕様書に時間をかけるのではなく、作りながら考えていく「デザイン思考」的な作業の進め方に適している。最初から完璧な仕様書を書こうとするのではなく、仮説検証を何度も繰り返しながら、完成度を高めていくのである。「思い込み」で作り込んでしまってから、突貫工事のような修正に陥るより、確実な仕事ができる。


Alessandro Villa photography
Museでプロトタイプを作成しながら、スマートフォンで確認できる


豊富な「ウイジェット」もMuseを使うメリットの一つだ。ウイジェットは、Museでは実現できない高度な機能を組み込むための小さなアプリケーション。Googleマップを埋め込んだり、問い合わせのフォームを配置する、メニューやボタンを設置する、スライドショーを組み込むなど、さまざまな機能がある。Muse用のウイジェットは、世界中で開発されており、素材専門のマーケットプレイスで提供されている。無料のウイジェットもたくさんあるので、プロトタイプ作成用に集めておくとよいだろう。

Apple「iPad Pro

Microsoft「Surface Book

デスクトップアプリは「魔法の世界」、モバイルアプリは「フィールドワーク・アイディエイトツール」へ

モバイルアプリとの連携も注目しなければいけない。Adobeは、(Surface BookやiPad Proなどの)次世代デバイスを使った直感的な作業が実務レベルで導入されていく将来像を描いており、モバイルアプリ製品に莫大な開発リソースを投入している。


デスクトップアプリとモバイルアプリの使い分けで、クリエイティブな作業を実現


デスクトップアプリケーションはより高度化し、「魔法のような新技術」を次々と生み出し、一方で、外に出てフィールドワークしながらアイデアを発想したり、イメージを視覚化するような初期フェーズにおける「軽量かつアイディエイトな作業」は、「モバイルアプリ」が担うことになるという、クリエイティブ環境の変化を見据えている。そして、重量級の作業と軽量作業をつなぐのは、クラウドシンク(最先端の同期技術)だ。


クラウドシンクで実現するモバイルクリエイティブによって、Museのワークフローも変わる


MAXのデモンストレーションでは、モバイルアプリの「Comp CC」とMuseの連携作業が紹介された。Comp CCで、モックアップをつくり、オプションメニューから[Send to Muse CC]を実行し、データをMuseに転送するという内容である。現在のComp CCには、まだ搭載されていないが、新しいMuseでこの連携機能が可能になると、テーブルで意見を出し合いながらラフなスケッチを描き、Museに転送して、マルチデバイスに適応したページをすぐにプレビューできるようになる。作業の進め方が大きく変わるはずだ。


カタログやパンフレット、フライヤーなどの販促ツールと一緒にランディングページ(シングルページウェブサイト)を受注しているデザイナーたちが増えているが、今後はアップスケールしてさらに仕事の幅を広げていけるだろう。


次回は、Museを実務で効率的に使うための「ライブラリ」活用法について取り上げようと思う。



執筆:Creative Edge School Books
ご連絡:ebookcast@gmail.com
更新日:2015年11月27日(金)/投稿日:2015年10月19日(月)




「Adobe Muse CC 2015 ビジネスガイドブック2 導入編」先行販売中

ビジネスガイドブックとは?

ビジネスガイドブック・シリーズは、一人出版社が実施している「訪問ワークショップ」で、受講者(であり依頼者)と一緒に取り組んできたさまざまな問題から、より重要なものを集めた実践書です。昨年リリースした最初のビジネスガイドブックは、主にデータの納品について取り上げましたが、今回は「導入」に関する悩みを中心に構成しています。
抱えている悩みに答えながら、必要に応じて、操作方法やテクニックなども解説しています。また、サンプルデータなども付属しています。


コンテンツ形式:

前作はPDFでしたが、今回は新しいMuseがリリースされ次第、最新情報を追加しますので、Web版になります。スマートフォンでも読みやすいページになっています。


購入方法:

以下の「購入ページへ」をクリックすると決済ページが表示されます。

こちらのサイトでは購入者の個人情報を取得しませんので、ダウンロードページのリンクは、決済ページに表示されます。こちらからメールは送信されません。


※購入ページには「商品名:Adobe Muse CC 2014 ビジネスガイド」と表示されていますが、問題ありません(「ビジネスガイドブック2」の販売になっています)。


確認して頂きたい情報:

前作の「Adobe Muse CC 2014 ビジネスガイドブック」の読者の方は購入しないでください。無料で提供します。


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現在は「先行販売」になっています。現在の購入者ページは、リリース後に「ビジネスガイドブック2」のページと自動的に入れ替わります。



販売:一人出版社 Creative Edge School Books
お問い合わせ:ebookcast@gmail.com
更新日:2015年11月27日(金)/投稿日:2015年10月22日(木)


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