最愛の夫が「怖い人」に変わる。53歳で認知症になった妻を介護する日々。

ドキュメンタリー番組「晩春 認知症の彼女と結婚した理由」

11日、ドキュメンタリー番組「晩春 認知症の彼女と結婚した理由」が放映された。若年性認知症を発症した妻を介護する夫を長期取材した番組である。

 

このブログでは毎日、認知症に関連したニュースを集めているが、若年性認知症に関するものが増えている。
65歳未満で発症する若年性認知症は、働き盛りの人が多いため、早期発見が遅れてしまい、症状が進行してしまう。

 

「晩春 認知症の彼女と結婚した理由」の取材は、7年前の2008年からスタートしている。

京都在住の芦田豊実さん(当時60歳)は、16年間同棲した節子さん(当時58歳)と結婚し、4年目を迎えていた。
節子さんが「53歳」のとき、若年性認知症と診断され、結婚を決意したという。

この頃の要介護度は「3」である。

服を着かたや靴下のはき方などを忘れてしまったので、芦田さんが全てやっている。服を着せ、靴下もはかせる。トイレの場所も忘れるので、誘導する。

 

芦田さんは、大手コンピュータ会社のシステムエンジニアだったが、介護に専念するため、会社を辞める。
介護のために退職し(および解雇などで)、職を失う人は多い。

参考記事:

若年性認知症が抱える問題が深刻なのは、働き盛りの世代の生活を直撃するからだ。職場や家庭で重要な役割を担う人が発症し、生活が一変してしまう

 

認知症には、さまざまな種類があるが、節子さんは(認知症で最も多い)アルツハイマー型認知症。

アルツハイマー型認知症は、20年から25年ほどの長い時間をかけて進行する(症状はなだらかに進む)。

例えば、70歳で発症した人は、45歳頃から脳変が始まっていることになり、いかに早期発見、早期治療が重要か理解できると思う。

参考記事:

 

節子さんの認知症はさらに進行し、夫に対して恐怖心を持つようになる。

最愛の夫が「怖い人」に変わっていく。

 

生活の中で(やむを得ず)注意をされたり、指示されることが増える中、なぜ注意されたのか、すぐに忘れてしまうため、意味も無く指示され怒られる、と理解してしまったのだ。

番組のなかで「なぜ、いつも怒っているのかわからない。怖い」と語っている。

芦田さんの日記には、(節子さんは芦田さんにおびえ、逃げようと)「バスの中で「助けを求める」」とも記されていた。

 

親身になって介護している夫にとっては、ショッキングな出来事だが、これも認知症の典型的な症状である。
否定せず話をあわせ、寛容な気持ちで接していくことが重要だ。

老化によるもの忘れは、本人にもの忘れの自覚があるが、認知症は自覚しないので、日常生活に支障をきたす。

節子さんが若年性認知症と診断された「53歳」のときは、軽いもの忘れ程度だったが、5年間でここまで変わってしまった。

 

芦田さんは、認知症と診断された頃「まさか、自分が介護する立場になるとは思っていなかった」と言っているが、軽いもの忘れ程度ではそれほど深刻になれないことも理解できる。

ただ、脳変は止まらない。ゆっくりと脳細胞は死んでいく。

 

現在、認知症の進行を遅らせるさまざまな取り組みがあり、成果も出ているが、それらの情報はなかなか伝わらない。もっと、媒体力を使って情報を広めていく必要がある。

 

芦田さん夫婦。
2015年、結婚して10年目。

夫「66歳」、妻「64歳」

言葉によるコミュニケーションは困難になったが、いつもそばにいることを伝え、笑顔で接する芦田さん。

認知症家族の日常。

 

 

境祐司(Creative Edge School Books

投稿日:2015年5月13日

Bookmark this on Google Bookmarks
LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です