THINK ZERO MAGAZINE

Creative Edge School Books


一人出版社のゾンビコンテンツの正体(2015年11月16日)

一人出版社は、ブートストラップ(資金調達せずに自己資金で小さく始めるビジネス)でスタートし、グリーンフィールド(まだ開拓されていない領域)のプロジェクトを主体にするため、企画の段階からこまめにコンテンツの情報を発信していくやり方を続けています。

企画が生まれたら、すぐにシングルページを公開し、必要最小限の機能しかないコンテンツを作成して初期ユーザーの皆さんから意見を聞きます。この段階で公開するコンテンツには2種類あって、1つは「プロトタイプ」で、最終製品に限りなく近い「試作品」。もう1つは「MVP(Minimum Viable Product)」で、必要最小限の機能しか持たない「製品」です。前者はあくまで試作品、後者は単機能でも製品です。どちらも、「思い込み」でプロジェクトを進めてしまうことのないように、「仮説を検証」するために作成します。


MVPの概念は、フランク・ロビンソンが考案し、エリック・リースとスティーブ・ブランクが広めました。ユーザーストーリーマッピングの著者、ジェフ・パットンは、エリック・リースが定義したMVPをMVPe(Minimum Viable Product experiment)つまり実験用のMVPと解釈し、ご自身はMVS(Minimum Viable Solution)と表現しています。人によって微妙に定義が異なりますが、MVPを作成する目的は、仮説を検証することです。


一昨日、ここで「ネット上には、一人出版社のゾンビコンテンツがたくさんある」と書きましたが、そのゾンビコンテンツの正体は、仮説検証のために公開していたプロトタイプもしくはMVPです。明日から作業を再開するシンクゼロマガジンも、プロトタイプとMVPをいくつも作成しています。


シンクゼロマガジンの編集画面。現在はMVPの段階。

先月から、出したり引っ込めたりしている「Museプロトタイピング」コンテンツは、シンクゼロマガジン・プロジェクトのMVPです。今月末には、「Museプロトタイピングをリリースします」と告知できそうですが、ここからベータテストが始まるので、来月になるのかなぁ、という感じです。一番最初に企画した「Museプロトタイピング」は、今思えばずいぶん的外れなものだったのですが、1ヵ月間で「このコンテンツを必要としている方々に刺さる内容」になってきたと思います。


さらに、話を複雑にすると、シンクゼロマガジンは「長期プロジェクトのサブコンテンツ」なのです。マッピングシートを見ると、中心に2つの長期プロジェクトが置かれていて、その周辺に大量のサブコンテンツ群が配置されていて、蜘蛛の巣状になっています。このシートに描かれている全ての情報が、一人出版社の「未来」です。



投稿日:2015年11月16日(月)




今日の一言:2015年11月16日(月)

晴れ、朝6時の気温13.1度(東京)。
後半戦の2日目。明日から、シンクゼロマガジンの作業を再開するため、スケジュールを調整。やるべきことが9つくらい同時に走っている場合、順番に進めていくので、「次の作業は1週間後」みたいな状況になってしまうのが辛いところ。ここ数カ月は、デスクワークの時間がなかなか確保できないので、どうしてもデスクトップアプリケーションを使う作業は停滞する。Museアカデミーの作業はちょっと遅れるかなぁ。ただ、モバイルワークに慣れてくると今度は「FTPするのに、わざわざパソコン起動するのは面倒だな」といった感じになってくる。頻繁に更新するHTMLファイルなどは、スマートフォンの中のデータが常に最新です。モバイルとデスクトップの使い分けが、より明確になってきました。
11月後半は、デスクワークの時間がさらに減っていく可能性が高いので、モバイルワークを強化しなければ。タブレットはたしかにスマホより効率化できるのですが、移動中の作業が圧倒的に多いので、タブレットの大きさだと周りから丸見えなんですよね。モバイルワーク特有のトレードオフです。



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