THINK ZERO MAGAZINE

Creative Edge School Books


一人出版社がここまでこれたのはアナログツールのおかげ(2015年12月1日)

今日から12月ということで、一人出版社の今後について再考する日。長期プロジェクトに移行し、仕事のハードルを上げてから「一人」の限界はすでに超えていますが、もう半年近く経っていますので「なぜ、ここまでやってこれたか」を突き止めないといけません。尊敬する先輩の皆さんから、「そんな大層な仕事、一人では絶対に破綻する」と言われ、覚悟しつつも、半年引っ張ることができた理由を整理していきたいと思います。


ロジャー・マーティンやC・オットー・シャーマー、ピーター・M・センゲなどの論文、書籍をPodcastで何度も取り上げてきましたが、「何をやったか」「どんなことを実践してきたか」を検証しても辿り着けないことはわかっています。「その行動に至った考え方(思考)」を探っていかないといけません。でも、思考特性が急に変わるはずがありませんので、長期プロジェクトに移行してから意識的に活用し始めたアナログツールが強く影響しているのではないかと推測しています。重要な判断を下すときは、これらのアナログツールがもう一つの脳のような働きをする。ここでも紹介してきたコンテキストズームシートやバック・トゥ・ザ・フューチャーなどの「大きな紙」です。「えっ、そんなこと?」と思われるかもしれませんが、アナログツールを駆使するようになってから、「絶対無理だと思っていたけど、できちゃった」ということが確実に増えているのです。



手書きも含む一人出版社のアナログツール


大前研一さんが、プランニングワークで特注の大きな方眼紙(新聞の一面と同じサイズ)を使っていますが、「なぜ、大きな紙なのか」よくわかります。このアナログツールは、マッキンゼー時代の戦略会議などで使うために開発したものですが、現在もBBT(ビジネス・ブレイクスルー)で活用しているようですね。


大前研一さんの言動については、好き嫌い分かれると思いますが、32歳のときに出版した「企業参謀」が、40年経った現在でも売れていて、毎年のように(新しい読者に)評価されているのは、すごいことだな、と思っています。Amazonを見ると、「今出ている本は読まなくていい、「企業参謀」で全て学べる」というレビューが多数書かれているくらいですから。

この本は、29歳でマッキンゼーに入社して、失敗を繰り返しながら、学び、その経験から得たことを「私的なメモ」として、ノートに記していたものがベースになっています。ダイヤモンド・タイム(現在はプレジデント社)の守岡道明編集長が、このノートを見て「本にしよう」となった。出版された1974年に、16万部売れ、その後40年間ずっと売れ続けている。4月に一番売れるので、企業の新人研修などで教科書として使われているのではないでしょうか。


小さな失敗を繰り返しながら、その失敗から学んで、経験値を蓄積しているときに作られた本やレポートって、わかりやすくて勉強になる。多少の誤情報があったり、完成度は高くなくても、とにかくわかりやすい。海外のカンファレンスのアーカイブを見ていても感じますね。キーパーソンたちの初期のプレゼンテーションの方が勉強になる(プレゼンテーションとしては不完全でも)。試行錯誤をしているときの「アウトプット」の重要性を痛感します。


現在は、一人出版社そのものが「試行錯誤のアウトアプット」と言える段階ですから、その根幹を成すアナログツールは、欠くことのできないものになりました。一人出版社を始めるまでは、ありとあらゆるモノゴトをデジタルに集約するため、クラウドサービスやスレートデバイスなどを駆使してきたので、かなり大きな変化です。


投稿日:2015年12月1日(火)




今日の一言:2015年12月1日(火)

晴れ、朝6時の気温6.0度(東京)。
2015年の平日は、あと「17日(+土日祝の9日)」。12月に入りました。今月のコードゼロ発動はもう回避できませんので、長期プロジェクト体制に完全移行しなくてはいけません。古い一人出版社との決別。秋には完了する予定だったことなので、この機に乗じて断行します。
明日、水曜日から東京ビッグサイトで「2015 国際ロボット展(iREX 2015)」が開催されます。医療とロボティクスをテーマにしたコンテンツ企画の真っ最中ですし、見ておきたいのですが、時間が確保できないので難しそう。国際ロボット展は、今年で21回目、ロボット関連メーカーが集結する世界最大規模のロボットトレードショー。2年に1回の開催なので、次回は2017年ですね。
3日の午前10時30分からのシンポジウムには注目。米国にいる身体障害者の方々が、テレプレゼンス・ロボットを介してシンポジウムに参加します。テレプレゼンス・ロボットというのは、遠隔操作で使うコミュニケーションロボットで、例えば、寝たきりの人でも遠隔操作するロボットでイベントなどに参加することができるのです。こちらのページを見ていただければ、どんなロボットかわかると思います。介護ロボットについての意見交換もあるので、なんとかして見たいのだけど、無理かなぁ。コードゼロの発動を回避できない状況だし、そんな余裕はないよね、残念無念。



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