THINK ZERO MAGAZINE

Creative Edge School Books


新生・一人出版社のウェブマガジンで経験値を形式知化していく(2015年12月10日)

明日から、中断していた「シンクゼロマガジン」の入れ替え作業(読者ページのウェブマガジン化)。そろそろ、オリジナルの記事コンテンツも掲載していく。一人出版社のホーム(このページです)で毎日更新している「今日の一言」と「長期プロジェクトの進捗」は、シンクゼロマガジンのトライアルとして始めたもの。新しいことを始める数ヶ月前から、助走期間を設ける、いつものやり方です。無理なことなら、すぐ答えが出ますので。「小さく、素早く始めて、早く失敗する」。一人出版社では、高速プロトタイピングが日常です。


パソコンを使える時間が限られているので、「今日の一言」と「長期プロジェクトの進捗」は、移動中にスマートフォンで書くことが多い。強いて利点を言うなら「文章が長くならない」ことでしょうか。あと、「ネットや文献などで調べながら書くことができない」ことも、どちらかといえば利点。自分の脳から引き出せる情報しか取り上げない。取材活動が主体なら、そう簡単に枯渇することはないと思っています。


シンクゼロマガジンは、「一人出版社 全記録」が前身で、蓄積された経験値を形式知化していく取り組みでもあります。そういう意味では、限りなくパーソナルマガジンに近いものです。コンセプトは「外に出て体験し、学び、作りながら考える」こと。フィールドワーク、思考法、プロトタイピングの3つを実践しながら、コンテンツビジネスの形をつくっていきます。新生・一人出版社の長期プロジェクトの核である「サブコンテンツ・マッピング」などは、「体験し、学び、作りながら考える」という手法でしかやり遂げることができません。



シンクゼロマガジンのランディングページ


ここにたどり着くきっかけは、昨年のPodcast(iTunes Link)で何度もお話してきましたが、「商才に長けた人たち」って、どんな思考で動いているの?という疑問。倒産、借金でホームレスまで経験しつつ、一からやり直して完全復活してくる人たち。失敗、復活を繰り返しながら、経験値を獲得し、現在はいくつも起業を成功させている。昨年から、そういう人たちと接する機会があって、「すごいなぁ」と感心するだけでなく、なぜそんなことが可能なのか興味を持ったのです。


ビジネスを次々と成功させている人も、最初から順風満帆だったわけではなく、私が知りたかったのは、苦境を抜け出すことができず、もがいていた時代のこと。


昔から、成功者の研究というのはあって、例えば、ゲンリック・アルトシューラーの「発明的問題解決理論(TRIZ)」がよく知られています(1950年代のソ連)。クリエイティビティに長けた人に共通点はないか、発想にいたる思考の道筋を探れないか、探れたとしてそれを人にわかりやすく教えることは可能か、といった問いに答えたのがTRIZです。Podcast(iTunes Link)では、この理論を継承、発展させたジェイコブ・ゴールデンバーグ(コロンビア大学ビジネススクール教授)の体系的創造思考法(SIT)を紹介しました。


ここで何回も書いてきたので割愛しますが、こういう研究は、Harvard Business Reviewが宝庫です。おかげで、成功した人のニュースが目に入ったら、起業する前は何をやっていたのか、当時のブログはないか、など今の思考を形成してきた道筋をたどるようになってしまいました。


例えば、先日、トライアルで20代前半の人たちと意見交換会があったのですが、イケダハヤトさんという方がすごい人気で、いろいろ聞くとネットで自由に活動しているスタイルに憧れているとのこと。でも、「現在」どうしているかでなく、今の思考を形成してきた道筋をたどらないといけない。ネットで調べると、「中学1年生のときにネットニュースサイトを立ち上げ、月間50万PVのメディアに育てる」なんて出てくるのですから、「普通」の人ではないことがすぐにわかります。10代の頃から豊富な経験値の持ち主であることを前提に、今の姿を見ていかないと、誰でもプロブロガーを名乗れると勘違いする人たちが出てくるんじゃないかと。


成功している人の軌跡を見るのは勉強になるし、勇気をもらえる。それにしても、一人出版社を始めていなかったら、Harvard Business Reviewなど一生見ることはなかったでしょうね。
そんな一人出版社のシンクゼロマガジンご期待ください。



投稿日:2015年12月10日(木)




今日の一言:2015年12月10日(木)

晴れ、朝6時の気温5.8度(東京)。
2015年の平日は、あと「10日(+土日祝の7日)」。12月の10日目です。28日が仕事納めなら、平日は10日(今日を含むと11日)しかありませんね、良くも悪くも混沌としてきました。
一人出版社のシンクゼロマガジン埋め込み用マイクロブロギングでは、ビジネスの話題を中心に発信しているので、DX(デジタルトランスフォーメーション)やFinTech(フィンテック)などの造語が頻繁に出てきます。特に、11月以降は、DX関連のニュースが増えています。DXの概念というのは、デジタルテクノロジーを駆使した企業変革であり、ビジネスモデルも、仕事の進め方・考え方も技術の進化に適応しながら「変化し続ける」ことを受け入れていくこと。よく出てくるのが「現状維持からの脱却」という表現。UberやAirbnbなどの躍進をみればわかるとおり、変化を阻んでいたら、あっという間に、新興企業に市場をさらわれてしまう時代になってしまいました。
この流れは、さまざまな分野で波及していますので、気がつくと「うわ、ライバル(競合)が増えたな」となるわけです。「現状維持」を守りながら、何か新しいことをやろうとしても、うまくいかない。結果を出せないだけでなく、他の業界の「変革を推進する企業」にマーケットを追い出されてしまいます。
毎日のように、「追い出す側」の企業のニュースを見ていると、DXって業界で安易に消費されるバズワードでもないかな、と感じてきました。



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