Adobe Museとシングルロングページのデザインについて

6時間、全23回で学ぶ Adobe Muse CC 完全習得[基礎編]

Adobe MuseはInDesignやIllustratorと同カテゴリのデザインツール

 

Adobe Museは、HTMLやCSS、JavaScriptなどのコードを記述せずに、ウェブサイトを構築できるノンコーディングツールですが、ウェブデザイナー向けのプロダクトではありません。Adobe TVで、Muse関連の動画を見ると、DTPソフトの「InDesign」ユーザーグループで知られているジェームズ・フリッツ氏が登場するなど、ウェブデザイナーをターゲットにした製品ではないことが理解できると思います。

 

過去にも、Museのようなノンコーディングツールがありましたが、根底にある開発思想が大きく異なります。ユーザーからのフィードバックを迅速に反映しており、Adobe製品の中で最もアップデートが多いツールです。

 

コード生成がブラックボックスになっていると、HTMLやCSSの品質について心配する人がいるかもしれません。もちろん、ウェブデザイナーによるクリーンなコードと同等のレベルは期待できませんが、Museの使い方を誤らなければ、最低限の品質は保証されていると考えてよいと思います。

 

Adobe Museを使えば、ウェブサイトを容易に作成できますが、(今のところ)深い階層構造を持つ大規模サイトの構築は厳しいかもしれません。どちらかといえば、1ページで構成された「One Page Website(Single Page Website)」に適しており、洗練されたグラフィックデザインとコピーライティングで訴求するランディングページのデザインなどで威力を発揮します。

 

シングルページウェブのデザインで威力を発揮

 

具体的には、以下のようなシングルページです。ページの上下には「ヘッダー領域」と「フッター領域」があり、中央の領域は、複数のセクションで区切られています。セクションは、情報のまとまりです。

右側の「The designers Guide to DPI 」は、典型的なシングルロングページで、垂直方向に巻き物を見ていくように、長編のストーリーを追っていきます。

 

このような縦長のシングルページを効率よくデザインするため、Museには「レイヤー」機能が搭載されています。ページ内のセクションをレイヤーを使って管理することで、どんなに長編のページでも、情報の追加・修正を迅速に進めることができます。

シングルページウェブのデザイン

 

シングルページ、シングルロングページをデザインする際、ページを「セクション(情報のまとまり)で区切っていく」という考え方が必要になります。通常、ストーリーの流れを崩さないように、スクロールだけでページを見せていきますが、複数のテーマを含む場合は、ナビゲーションを設置して、目的のテーマに飛べるようにしておいた方がよいでしょう。

 

閲覧者はスクロールしながら見ていきますので、見過ごされないように、入力フォームやボタンなどは大きく目立つように表現します。また、情報はシンプルに見せても、視覚表現で訴求できるように、ビジュアルコミュニケーションデザインは妥協せずに作り込みます。

 

注意しなければいけないのは、データサイズです。ページ全体が重たくなると、スクロールに依存しているシングルロングページでは閲覧に支障が出てしまいます。特に、視差効果(パララックス)などの動的な演出を採用する場合は、何度もテストをして確認しなければいけません。

配置する画像ファイルは、圧縮率と画質のバランスを見ながら、調整することになります。

 

これらのポイントは、アーメン・ガザリアン氏(UXコンサルタント)の記事「5 Best Practices for Single-Page UX Design」にまとまっています。シングルページのUXデザインについて、わかりやすく解説していますので、参考にしてください。

  1. Split Content into Small Chunks
  2. Design Alternative Navigation for Quick Access
  3. Use Strong Calls to Action
  4. Keep It Simple, But Not Boring
  5. Make It Light

シングルページのUXデザイン 5つのベストプラクティス

更新日:2014年8月17日

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