HTML5パブリッシングマガジン開発日誌 Vol.21/E★エブリスタはファンコミュニティ、noteはフリマ的クリエイティブマーケット/電子書籍を確実に売るために、やるべきこと(3)

2014年7月1日:E★エブリスタはファンコミュニティ、noteはフリマ的クリエイティブマーケット/電子書籍を確実に売るために、やるべきこと(3)

HTML5 Publishing Magazine Development Diary 21 :
昨日の記事「そもそも情報が伝わっていないのに「電子書籍は売れない」はおかしい/電子書籍を確実に売るために、やるべきこと(2)」の続きです。

今回は、「執筆しながら読者を増やしていく」ときの具体的な進め方を「架空の電子書籍を設定して」書くという予定でしたが、やはり難しかった…。架空の電子書籍ですと(当然ですが)著者も架空の人物ですから、リアリティが無くなってしまいますね。
ちょっと一呼吸おいて、(前回と多少重複しますが)販売力や読者との信頼関係を築く場について、書きたいと思います。

 

過去の記事:

[3]そもそも情報が伝わっていないのに「電子書籍は売れない」はおかしい/電子書籍を確実に売るために、やるべきこと(2)
[2]電子書籍を確実に売るために、やるべきこと(1)/あなたの情報はどのくらいの人に届いているのか?
[1]半年かかりましたが「電子出版は儲からない」は「間違い」と思える段階まで、やっと到達。

 

本日の内容:

  1. ネット販売の経験がある人、まったく初めての人
  2. 商品力と販売力、そしてプロモーション
  3. アマチュアでも執筆しながら読者(ファン)との信頼関係を築ける
  4. もっと気楽にリトルパブリッシングを楽しむならnote

 

 

ネット販売の経験がある人、まったく初めての人

Kindleダイレクトパブリッシングやパブー、BCCKS(ブックス)などの個人出版サービスは、初期費用がかからず、誰でも容易にチャレンジできるため、利用者も増えています。

個人出版をどう捉えるかは、人それぞれですが、前々回、記したとおり、「作品発表」と「商品販売」では期待値が大きく異なります。

ブログのようなカジュアルな作品発表の場として捉えているなら、「売れる・売れない」はそれほど重要ではありませんが、販売して収入を得ることが目的なら、思ったほど売れないことに、軽いショックを受けるかもしれません(思い込みが強いほどショックも大きいと思います)。

もし、個人で「ネット物販」(オンラインショップでモノを売っていた等)などの経験があれば、「そう簡単には売れない」という体験を持っていますので、電子出版でも予測の幅が広く、「まずは、こんなものでしょう」と冷静に受け入れることができます。
いろいろ試しながら、少しずつ売上を伸ばしていこう、という考え方になっているはずです。

 

 

商品力と販売力、そしてプロモーション

個人出版でも商業出版でも、「商品力」だけでは、なかなか売れません。たまに、著名な人が取り上げてくれたり、良いタイミングに恵まれ、偶発的なバイラルで広まることがありますが、そう頻繁に起こることではないですよね。
前回の繰り返しになりますが「その製品やサービスの存在が知られないかぎり、人は動きません」。

どうしても「販売力」が必要です。商業出版であれば、出版社の営業、広報が動いてくれますが、個人の場合、「販売力」には限界がありますので、自分の本の存在を多くの人に伝えることができません。

自費出版ビジネスでは、「全国の書店であなたの本を流通させます」が売りの一つになっていますが、電子出版の場合は、著者が自らストアで発行できるわけですから、やってもらいたいのは「プロモーション」です。
※もちろん、商品力あってのプロモーション。

 

実は、出版社でも「電子出版物のプロモーション」については、スキームが確立していないため、なかなか思い通りにはいっていないと思います。

 

 

アマチュアでも執筆しながら読者(ファン)との信頼関係を築ける

では、個人が「販売力」も身につけないといけないのでしょうか?

前回は、「ケータイ小説の創作環境をモデルにすべき」と書きました。例として「E★エブリスタ」を紹介。一人ではすぐに限界がくるので、執筆しながら「ファンを育て、同時に、ファンに育ててもらう」環境をつくっていこう、という内容です。
※ちなみに、有名人を著者にしたい、というのは逆の発想になります。

書き手と読み手の交流が、次第に活気を生み出し、プラットフォーム全体が大きなエネルギーに包まれます。
同時に、新人を発掘したい出版社も集まってきます。

参考:

 

自分のブログで、執筆中の原稿や進捗などを頻繁に更新してきた人なら、本の完成、発売を喜び、自発的に宣伝をしてくれた人たちがたくさんいたのではないでしょうか。

もし、バイラルが期待できるとすれば、執筆期間中に「何かやってるな」という小さな種がまかれた後です。

作品の世界観や面白さを十分理解している人がたくさんいれば、その人たちのSNSでの投稿やブログ記事などが、自然とプロモーションしやすい環境をつくってくれます。
(完成した本を渡して、その魅力を伝えてもらうのは意外と大変なことなのです)

 

この部分は、電子書籍を作成したり、販売するプロセスほど、システマチックにはいかないため、「継続力」が必要になります。
ただ、個人が自力で、それなりの結果を出していくには、販売力を強化するより、こちらの方が明らかに現実的です。

 

 

もっと気楽にリトルパブリッシングを楽しむならnote

「E★エブリスタ」は、積極的に「書籍化」「映像化」などのタイアップ企画を実施し、著者への取材依頼なども仲介しており、作り手の創作意欲を刺激し続けています。
アマチュア作家を育てる環境としても、機能しているといえるでしょう。プラットフォーマーの一つの在り方です。

 

ちょっと雑談になりますが、株式会社ピースオブケイクが運営している「note」にも触れておきたいと思います。

引用:

note(ノート)は、文章、写真、イラスト、音楽、映像などを手軽に投稿できるクリエイターと読者をつなぐサービスです。ブログのように使うことも、SNSのように使うことも、コンテンツを販売することも自在に活用いただけます。

 

note
noteのトップページに記されているとおり、文章、写真、イラスト、音楽、映像などを手軽に投稿でき、販売することも可能なユニークなプラットフォームです。自由度が高いため、利用者が自ら、使い方を模索し、楽しんでいる感じです。

 

マーケットプレイスの視点でみると、売り手も買い手も共に店を構えている構造になっており、外からの流入があまり期待できないため、大ヒットコンテンツは生まれにくいかもしれません(大きなお金は動かない)。
ただ、フリーマーケットの特性を持っていますので、あちこち動き回り、雑談しながら気に入ったものを買っていく広場として、育っていきそうな気がします。

 

期待されているのは、「E★エブリスタ」のような爆発力ではなく、自由にものを持ち寄って交流を深めるフリマ的なクリエイティブマーケットではないかと思います。
利用者の「noteをもっと盛り上げていこうじゃないか」といった気持ちを感じることができます。

noteの場合は、これから新機能などが追加されていくサービスですから、どう変化していくかわかりませんが、まだ使っていない方は、ぜひ登録して、noteの世界を散策してみてください。

 

 

プロジェクトという意識で電子出版に挑む

先週からの一連の記事を通じて示したかったことは、個人や小規模な出版社が「本をどうやって読者に知らせるか」「本の魅力をどう伝え、納得して買ってもらえるか」を1つのプロジェクトとして進めるプロセスです。

情報伝達力のこと、商品力・販売力、そして読書(ファン)の存在の重要性など、ちょっと長い前置きになりましたが、「電子書籍を確実に売るために、やるべきこと」の概要は理解できたのではないでしょうか。

 

最初の記事で「著者と編集者の共同編集の場」について書きましたが、具体的にはグループウェアを使ったコラボレーションになります。著者と編集者、著者とマーケター、あるいは著者と編集者とマーケターなど、役割分担はさまざま。
もし、著者が編集もマーケティングもできるのなら、必要ありませんが、大半の人は「販売力」を持っていないわけですから、広めること、売ることを一緒に考えてくれる人が必要です。

 

Amazon傘下のセルフパブリッシングサービス「CreateSpace(クリエイトスペース)」は、著者のための編集、デザイン、マーケティングの支援サービスを提供していますが、近いイメージです。

CreateSpace

 

自分一人でやりたい、知り合いと一緒にやりたい、という方々にとっても、このコラボレーションの事例が「具体的に何をどう進めればよいのか」といった、ヒントになると思っていますので、参考にしていたけたら幸いです。

 

明日から、プロジェクトの進め方に入っていきたいと思います。

 

 

追記(2014年7月7日):

ビジネス関連の記事について

こちらのブログは、電子出版のプロダクションワークやウェブ、デザイン関連の記事を中心に公開していますので、ビジネス関連の記事は分離することにしました。

形式はブログではなく、無料メールマガジンで配信いたします。7月上旬からスタートしますが、サンプル誌は公開されています。
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投稿日:2014年7月1日

 

 

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